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プロローグ*御曹司の花嫁役
「君が俺の花嫁役か…」
「よろしくお願いします」
「名前は?」
「角南紗月(ツナミサツキ)です」
私は「レオン三鷹店」の食品売り場のレジのアルバイトをしながら、人材レンタル派遣会社『フェイク』に登録。
空いた時間を利用して働いていた。
「フェイク」の業務内容はお客様が希望する人を演じる。例えば、彼女、友達、妹etc.
男性なら圧倒的に恋人…彼女が多い。
私はお客様の好みのタイプに女性になり、一緒に食事をしたり、映画を観る。
接触は手を握るまでと契約上で取り決められていた。
相手によっては契約を破り、手を出そうとする輩が後を絶たない。
でも、今の所は未遂で終わっている。
正直、身の危険を感じる仕事。
レジのアルバイトよりも時間給がいいから続けているだけ。
まさか…彼が私に花嫁役の依頼をして来るなんて…
場所がホテルのスイートルームなのがとても気になった。
普通はロビーのカフェで行う契約。
ホテルのエントランスに入った途端、彼の秘書と名乗る男性にこの部屋に案内されたのだ。
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