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「・・・分かった…此処まで女性に拒否られたのは初めてだ・・・」
彼は盛大な溜息を吐き、ベットへの侵入を諦めた。
「・・・シャワー浴びて来いよ…」
彼は寝室を出て行った。
******
私はバスルームを借りて、シャワーを浴びる。
辺りに立ち込める湯気に全身が包まれた。
総大理石の豪華なバスルーム。
私は彼に触れられたと思われる場所を入念に洗った。でも、抱かれた感覚が全くない。
それだけ深い眠りについていたのだろうか…
感覚がないのは、私自身が眠っている間に抱かれたという事実を否定したいのだ。きっと…
――――彼は私が好意を寄せている男性。
最低最悪のオトコだと思いたくないんだ・・・
ホテルの備え付けのボディソープは薔薇の濃厚な香り。
鼻腔を擽る花の匂いに神経を集中させ、怜様の暴挙を頭の中から追い出した。
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