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彼は私にそう念押ししたかっただけのよう。私は彼氏の借金を背負っている。
怜様の花嫁役を引き受ければ…借金はチャラ…闇金から逃げる必要もなくなる。
彼に黙って抱かれ、子供を産めば…大金だって舞い込む。
金銭的に困窮する生活から解放される。
でも、愛し合ってもない男女の間に産まれた子供は幸せになれるのだろうか?
私は髪を乾かし、ようやく怜様の待つリビングに戻った。
「・・・その花柄のドレス良く似合ってるぞ…紗月」
彼に名前を呼ばれる度に鼓動が跳ねる。
最低なコトされてるのに、私は全く男の見る目がない。
褒め言葉にいちいち反応してドキドキする自分が情けない。
「座って下さい。紗月様」
秘書の瀬川さんに促され、私はソファに椅子に腰を下ろす。
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