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「私が産んだ子供は誰が世話するの?」
「俺が引き取って育てるから…安心しろ…紗月。
その子には俺の後継者になるべく高等な教育を受けさせるつもりだ」
「貴方…本当に子供が欲しいだけなのね…」
「ふん、君は情を捨てて、金で割り切り、契約書にサインするんだ…」
怜様は冷たく吐き捨て、私の方に契約書を近づけた。
「一晩考えさせて…」
「突然の話です。容易には決められないかと思います。怜様」
「分かってる…」
彼は盛大に溜息を吐き、瞳を伏せて考え込んだ。
伏し目がちな瞳を縁取る彼の睫毛。
男性にしては長く、艶めいて見えた。
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