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「分かった…ひと晩だけ待ってやる…でも、それ以上は待たないぞ。いいなっ。紗月」
私は彼に契約書を押し付けられ、ようやく解放された。
強引にカラダを奪った男の選んだドレスを着て、ホテルを後にする。
早く帰って…ドレスを脱ぎたい。
頬を掠めるビルの風は冷たかった。
私は夜空に向かって突き抜けるように建つビル群を見つめ、自分の身の振り方を考えた。
勘当同然で長野を出て、高校の先輩だった彼を追って上京。
でも、彼は私に借金を押し付けて失踪した。
好意を寄せていた憧れの人・怜様には子供を作り、産むだけの機械扱い。
どちらも最低なオトコ。
自分の男運の無さに失望した・・・
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