片思いの彼

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「いってらしゃい。怜」 「いってきます」 「では…行って来ます」 私は怜のブリーフケースを瀬川さんに渡す。 昨日の夜は聖さんを意識してか求め来なかった怜。 いつものルーティンの行って来ますのキスもなさそう。 先に瀬川さんが出た。 「怜…忘れ物」 「んっ?」 怜が私の声で振り返す。 私は怜が振り返った瞬間を狙い、歩み寄り、爪先立ちして、軽くキスをした。 「・・・紗月…」 「いつものルーティンでしょ?」 「そうだったな…ゴメン…」 怜はお詫びのキスを落とし、手をヒラヒラさせ、出社した。
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