片思いの彼

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私は彼からシナリオを借りて、食い入るように見つめて必死にセリフを暗記した。 「覚えた?」 「覚えました…」 「じゃ本番行くよ!!…英吏子さん…」 聖さんはいきなり切なげな声で名前を呼び、私をソファに押し倒した。 和彦は英吏子の迫るとシナリオには書いてあったけど。 押し倒すとは書かれていない。 聖さんのアドリブか?? 私は聖さんに押し倒され、あたふたした。 「せ、聖さん!?」 「紗月っていい匂いがするね…」 聖さんが私の耳許で甘く囁く。
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