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「雅斗は戦場カメラマンで、内戦の続くシリアの取材中に政府軍と反政府軍の銃撃戦に巻き込まれて、亡くなった」
「・・・」
「雅斗の撮影したシリア内戦の写真を見ると日本はつくづく平和な国だと実感する。特にシリアの子供たちの実情を知ると涙が出て来るよ」
怜の色素の薄い瞳には涙が滲んでいた。
「国連の調査のよれば、幼い少年や少女が人間の盾や自爆テロに利用された報告だってある」
「だから、怜は雅斗の死を無駄にしない為に財団を作り、大人の都合で犠牲になった子供たちに色々と支援しようと考えているんだろ?」
「まぁな」
怜は指で涙を拭い、佑介さんに相槌を打つ。
「佑介だって協力してくれるんだろ?」
「あぁ。雅斗は俺の友人だ。ヤツの意思を継ぎたいと思っている」
「二人ともありがとう…雅斗に変わって礼を言う」
「でも、外野がうるさくて…財団の実現には時間がかかりそうだ…」
いい話だった…
もしかして、怜の片思いの相手は聖さんではなく雅斗さんなのかもしれない。
彼の熱い瞳がそう語っていた。
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