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「一つ訊いていいですか?」
「んっ?」
怜は私の方を振り返る。
「その怜と一緒に写っている人って…もしかして聖さんじゃなく・・・」
「あ…雅斗だ。それがどうかしたか?」
「聖じゃなく・・・怜は雅斗さんを…」
怜は意味深な語尾の濁らせ方をする私に首を傾げた。
「私…二人の仲を誤解してました」
「誤解?」
怜はキョトンと私を見つめた。
「怜は聖さんに片思いしているんだと思ってました」
「お、俺が聖に??
いきなり、どうしてそんなキモチの悪いコト言うんだ?紗月」
「だって…写真だって男同士で肩組んでるし。再会の時だって…抱き合っていたから…でも、雅斗さんの存在を知り、私の完全な妄想だと分かりました」
「凄い妄想だな」
私をそんな妄想に走らせているのは怜自身だと言いたかったけど。グッと喉の奥で堪えた。
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