ヤキモチのその先に

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5分ほどしてホテルへと着いた。エレベーターのなか無言。昂哉は何かを言いたそうにしていたが、話しかけるなというオーラを出していた。 「あの……先ぱ……」 部屋に着くなり、ドアを閉め、俺は昂哉の腕を引っ張る。 「うるさい」 イライラしながら昂哉をベッドの脇まで連れていき、力を込めて肩のところを強く押す。 「うわっ!ちょ、先輩何をして……」 昂哉はフラ付きそのままベッドの上にうつ伏せに倒れ込んだ。すかさずその上に乗り上げて驚いた顔の昂哉を見下ろす。 「いいよ、聞きたくない。……何も聞きたくないんだよ。」 こんなにも胸がざわつきイライラするのに、直ぐに寂しさが襲い来る。 「……ごめん。」 昂哉を押し倒し乗り上げて見下ろしているのは驚いた顔の恋人、昂哉。そして、何故か泣きそうな俺。一先ず謝罪の言葉を口にした。 それからようやく、自分が何をしているのかと我に返り昂哉の上から降りて隣で三角座りをする。 「先輩……さっきの事、気にしてる?」 「そんなこと……ない。」 「アレは本当に何でもなくて……たまたまっ」 「聞きたくないって言ってるだろう。」
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