ヤキモチのその先に

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少しだけムキになって大きな声を出してしまった。そして俺は耳を両手で塞ぎ聞かないと主張。 「あの、先輩!!聞きたくなくても聞いてください!」 「……」 起き上がった昂哉に手を取られ、塞いでた耳が外気に触れる。 「確かに、昔アイツと付き合ってましたけど……あいつの言う通り俺奥手で、俺から行動するなんて事無かったんです。」 「……」 必死に当時の話をする昂哉。途中で遮ることも出来たがあまりにも必死な顔で話すから静かに聞いている。 「それで、アイツとも喧嘩して……別れて。就職して先輩に出会ってこの人は絶対欲しい!そう思ったんです。今までなら見てるだけだった俺が自分から行動して、沢山好きって伝えて……体まで繋いで、こんなに自分からグイグイいくのって先輩が初めてだったんです!」 「ふ、ふぅん……」 あまりの勢いに飲まれそうになり微妙な返事をしてしまう。 「それに……」 くんっと掴まれた手を引かれ、昂哉の胸の中へとポスンと収まってしまう。少しだけその手が震えていて昂哉が必死なのが伝わってくる。
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