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ストレートな感情をいつもぶつけてくれるのは嬉しいが、照れるし何よりも仕事とプライベートは完全に切り離したい性格の俺は少しだけ厳しい口調になってしまった。本当は自分もすごく嬉しいのだ。
たまに、コイツが羨ましくも思う。昂哉みたいに素直になれたら、と。
そんなことを考えている間にエレベーターは目的の階へ到着した。
部屋へ入るなり、昂哉は言った。
「ね、先輩!せっかくだし仕事終わったら飲みに行きましょ!最近忙しくて先輩とご飯行けてないし……今日終われば明日は代休ですし!」
「あぁ、そうだな。久しぶりに行くか。」
「やったー!俺あと2時間頑張りますね!」
少し大袈裟にジェスチャーをして喜ぶ昂哉。
「いや、そんな喜ぶことか?大袈裟だろう。」
「そんな事ないです!先輩と二人きりなんて数週間ぶりですよ!そんなの、嬉しくなるに決まってる!」
きゅっと抱きしめられ、思わず肩をビクリと震わせてしまう。
「ばっ……お前……まだ仕事中だぞ。離れろ。」
「えー二人きりなのに?」
「いいから。」
ピシャリと言ってのけると昂哉は大人しく俺から離れていく。
「はーい、ごめんなさい。」
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