ヤキモチのその先に

7/34
前へ
/34ページ
次へ
「みさき・・・か。俺は仕事。出張で少しな。」 「えーうそ、まじ?卒業以来だし、何年?」 少し派手目な服装をして金に染めた髪が纏められていてぴょんぴょんと踊るようにはねて動く。目が大きく、化粧が少し濃い目だがとても可愛らしい顔立ちの女の子と楽しげに笑い合う昂哉。 「えっと……桐島くんこのお嬢さんは?」 「あ、先輩、すみません。コイツは大学の時同じゼミだった高岡美咲っって言って……美咲、こちら会社の先輩で崎谷勇輝さん。」 「あ、桐島です。こんばんは。」 ニコリと営業スマイルを浮かべて挨拶をした。 「高岡美咲でーす!いつもこーやがお世話になってます!」 屈託のない笑顔で手を伸ばしてきた美咲と握手を交わす。元気な声で挨拶を返された所で昂哉が間に割って入る。 「おい、美咲いつまで繋いでんだよ。つか、変な事言うなよ。」 「えーいいじゃん。あ、てかそれより!一緒してもいい?1人で飲むの予定だったんだけど〜……こーやと会えるなんてラッキー!こんな偶然めったにないじゃん?」 「いや、俺は先輩と……」 2人きりがいいと言おうとしているのがわかって、空気が悪くなるのもどうかと思って昂哉に被せて返事を返した。
/34ページ

最初のコメントを投稿しよう!

28人が本棚に入れています
本棚に追加