11. 鳥籠の鎖は闇に堕ちて

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11. 鳥籠の鎖は闇に堕ちて

「雪ちゃんの碧目と銀髪すっごく似合ってるし、なんなら儚すぎて消えそうで、控えめに言って推せる!」 「あたしは前の髪型の方が好きだけど、悪くない」 「もはや二次元? ここ現実世界であってるよね?」  翌日の学校は、予想通りの大荒れだった。藤春くんの髪が短くなったのに加え、目が碧くなったのだから無理もない。  朝から、アニメーション映画のナニナニに似ているとかで、教室中が騒がしい。藤春くんは涼しい顔で「ハハハ、ありがとう」と返しているけど、男子も黙っていない。なんでも、男子に人気の戦闘アニメキャラにもいるらしく、彼らも興奮しているのだ。  どちらもよく知らない私は、教室の隅で黙って本を読む。大変だな、なんて人ごとだけど、彼との友達としての時間は終わってしまったから。  来月の文化祭へ向けて、今日から準備が始まる。ホームルームで出し物の多数決をして、一年五組はプラネタリウムになった。役割担当のくじ引きで、私は買い出し係を当ててしまった。  ついていない。よりによって、メンバーの中に藤春くんもいる。離れなければと思うほど、神様はなぜ引き寄せるのか。 「めんどいから、今日行って終わらせちゃおうよ。みんな放課後空けておいてねー」  リーダー的存在の三嶋さんが、無茶な提案をしてきた。他の二人も、私と同じように引き攣った表情をしている。藤春くんは、そうでもなさそうだ。  こうして放課後、強制的に五人でホームセンターへ行くこととなった。
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