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「理恵さん…ですよね。本当の名前は」バレている。最悪の事態だ。拷問だけは嫌だった。涙が出てくる。怖くて怖くて仕方がなかった。殺しに行くということは自分も殺されるかもしれないということだ。そんな考えが今頃、頭をよぎる。
「はい、そうです」彼は優しく涙を拭いてくれる。
「セックス気持ち良かったですか?」
「はい、とても」選択肢は一つしかないが本当の事だった。
「僕も気持ちが良かったです。僕はもう駄目なんですか?」
「ダメとは?」
「殺されるんでしょう?」
「う…う…」声を出して泣いてしまった。続きが言えない。それは恐怖からではなかった。悲しかったのだ。
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