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1-1 ハロー/はじめまして
「出席番号11番、栄 弥八です。よろしくお願いします」
「三弥 陽太朗です! 太陽みたいに朗らかです! 出席番号は32番! お願いしまーす! イェイ!」
栄とは中学の同級生だった。オレの名前が「三弥 陽太朗」で、アイツの下の名前も「みつや」だった。そこから始まった縁だ。
2回目の席替えで栄がオレの斜め前の席に来て、前後二列の同じ4人班になって。班行動している時に「みつや」って呼ばれたら二人して振り向いて、笑われた。
だいたい、苗字が「みつや」であるオレが呼ばれている場合が多かったのに、栄はどうしても下の名前だから反応してしまうらしかった。
それ以来、時々セットで扱われるようになって「ダブルミツヤ」とか「ミツヤーズ」とか呼ばれたりした。
当時は一緒に遊ぶグループが違って、班行動の時以外はあんまり交流もなかったけど、視界の隅とか、意識の端にいつもいた気がする。
見た目や性格は全然似てなくて、オレはサッカー部で、友達も多くてモテてたけど、勉強はあんまり得意じゃなくて、授業中もうるさかった。掃除当番をサボったり、買い食いしたり、制服のままゲーセンに行って補導されたり、通知表には「落ち着きがない」って書かれるタイプ。
栄は、提出物も真面目に出すし、掃除も日直も当たり前のようにやる。授業中はたまに寝てたり、こっそり本を読んでたりして、成績は中の上って感じだったと思う。教科によっては、たまに、成績優秀者として名前が廊下に貼り出されていた。
体が大きめで目の細いオレとは正反対で、体育の背の順は前から数えた方が早かったし、目とか顔が丸っこかった。
とにかくあんまり目立たなくて、大人しくて、問題も起こさない。いい子ちゃんで、いつも隅っこの方でニコニコしてる。そんな印象だった。
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