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「わぁ!!」
僕は入った細い道で思わず声をあげた。一難去ってまた一難。そこにはとっても大きな、黒くて脚が六本くらいあって、目がたくさんあって、牙の生えた、怖い生き物が、ねばねばしたものにつかまって、僕を睨んでたんだ。
「ごめんなさい、君のおうちだったんだね。」
そういって僕は、そこをすぐに出ようと、壁をつかって方向をかえた。
そしたらその大きな黒い生き物は、ばっと僕の方にとんできたんだ!!
「わぁぁぁぁぁ!!!!ごめんなさい!!!!」
僕は必死に逃げ、せっかく逃げ込んだ道からでちゃったんだ。
「おい!でてきたぞ!!」
外に出ると、またあの人間たちに見つかってしまった。僕は慌てて必死に逃げ回る。
一体どこにいけば僕は静かに暮らせるんだよぉ!!
必死に逃げて、逃げて、逃げ続けた。すると、あたりはすっかり真っ暗になっていたんだ。一日中動き回って、くったくただった。
あぁ~、もう疲れたよぉ。
人通りがすくない細い道で、僕はとまった。そのときだった。
「ヘビさんもひとりぼっちなの?」
びっくりして見上げると、そこには人間がいて僕を見下ろしていた。
やばい、またいじめられる!
そう思って、急いで逃げようとしたら、その人間が、
「僕は君のこと、いじめたりしないよ?」
といったんだ。僕は立ち止まり、ゆっくりその人間の方を見た。
「だってほら、僕も嫌われてるからさ。」
そういって、その男の子は、脚をひらひらした。すると、じゃらじゃらと、金属の音がした。その子の脚には、何かが巻かれていて、脚と脚の間にも一本の鎖があったんだ。
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