兄貴の絶望

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 組み敷いている躰がビクつくだけで、僕の手が兄貴を快感に導いていることがわかり、楽しくてならない。もっと感じさせてやろうと、兄貴の下唇を食みながら口内に舌を入れ、上顎をなぞってみる。 「んぅっ、やめっ!」 「嫌がってるのに、兄貴の下半身が反応してるよ。僕のに当たってる」  完全じゃなかったが、下を脱がせたときよりも大きく育っていた。それを認めたくなかったのか、兄貴は焦った表情で首を横に振る。羞恥で目の下が赤く染まり、悔しげに唇を噛みしめる姿に、どんどん乱したくなった。 「僕に感じさせられて恥ずかしいと思ってるみたいだけど、そんなことがどうでもよくなるくらいに、兄貴をいやらしくしてあげるね」 「わかった、辰之わかったから! おまえを好きになるから、もうやめてくれ!」 「僕を好きになる?」  信じられない言葉の交渉に、兄貴の下半身に伸ばしかけた僕の手が止まった。 「彼女は作らない。おまえを好きになってやる」  ところどころ震える声で告げられたセリフは待ち望んでいたものなれど、完全じゃない。  目力を込めた意味深な視線を兄貴に縫いつけた僕はベッドをおり、見せびらかせるように服を脱ぎ捨て全裸になった。完勃ちしている僕のを見た兄貴の目は、今にも泣き出してしまいそうに見える。 「兄貴、僕を好きになるって、どういうことかわかって言ってる? 今まで見たいな、仲良しこよしの兄弟愛じゃないよ」 「俺はおまえとこんなことしたくない。前のように、仲良くしていけばいいじゃないか」 「それだけじゃ満足できないんだよ。兄貴の心と躰の全部が欲しくてたまらない」  無様に横たわる兄貴を見下ろすと、綺麗なラインを描いた頬に涙が零れ落ちた。 「なんで……。どうしてこんなことを俺にするんだ。意味がわからない……」 「兄貴が悪いんだよ。彼女なんて作るから」  小さく笑って兄貴に跨り、完勃ちした僕のを兄貴のモノに擦りつけた。
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