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(辰之がイけば、こんな馬鹿げたことをこれ以上する必要はない。迷わず挿入しなければ――)
覚悟を決めて尻穴の入り口に自身の先端を押しつけ、ぐっと腰を押し進めた。ぬるりと自身が飲み込まれた瞬間、俺を感じさせるように弟のナカが絶妙なタイミングで締まる。
「んんっ……ぁっ…っぁあ…はやくっ……深くぃれてっ…んっ…は…ぁっ……!」
「ふ、くぅっ」
額から自然と汗が流れ落ち、敏感になっている肌を伝う。弟を絶頂させる前に自分が先にイってしまいそうで、我慢するのに必死だった。
「あ…兄貴…っは…ぁ、ん…っも…だめっ! イクぅっ!」
弟が躰を仰け反りながらイくと、ナカが小刻みに痙攣して、ここぞとばかりに俺に快感を与える。
(辰之とこんなことをしちゃダメだと、頭ではわかってるのに、ブレーキがきかない。もっと気持ちよくなりたくて、腰を動かしてしまう)
イケナイことをしている罪悪感と快楽がいり混じり、脳みそが蕩けそうになる。俺よりも華奢な腰に両手を添えて、より一層前後させた。
「辰之っ…、も、出るっ」
「きて……、奥にいっぱい出してっ。兄貴のせぇしでお腹いっぱいにしてっ!」
パンパンという肌がぶつかる独特な音が数回響いたあとに、勢いよく最奥に欲を放った。それは一度目よりも多く出たような気がする。躰の芯まで痺れる快感に震えが止まらない。
「兄貴の熱いっ…俺のナカを満たしてる。すごくいいよ」
弟が嬉しそうに言って腰をくねらせたら、俺自身が外れた。尻穴から白濁がぽたたっとシーツに落ちたのを目の当たりにして、やってしまった事の重大さに息を飲む。
「あぁっ、もったいない。こぼれちゃった」
シーツを汚したのは、俺のものだけじゃない。弟がぶちまけたものもあって、隠微な空気が俺たちを包み込んだ。
「思ったとおり兄貴のち〇ぽ、すごくよかった。僕たち相性バッチリだね」
「……出て行ってくれ」
「わかってる。またシようね」
「するわけないだろ、俺たちは兄弟なんだぞ!」
「兄弟だけど僕は兄貴が好き。兄貴が他の人とこういうコトするのは、絶対に許せない」
弟は俺の真正面に対峙して、ねっとりとした視線で俺を見上げた。絡みつく想いを込められたまなざしに、俺はあることを考える。
なんとしてでも、この弟に嫌われなければと――。
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