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ネ申様ぇ☆彡
小さな田舎町にある、寂れた神社。だけどここは願いがなんでも叶うと噂されている。今日も一人の女子高生が願い事を叶えてほしいがために絵馬にでかでかと黒ペンで文字を得意げに書き込んでいた。
その光景を鳥居から見下ろして神は絵馬に書かれている内容を確認したところ――
「ネ申様ぇ☆彡 素敵十ょカν=ノщo禾ム|=勹ナ=”廾レ`」
読めん! まさか一文字分のネと申で神と読ませる気じゃなかろうなと何度も読解を試みたが、神様で正解らしい。
時代は巡り巡っていくのは重々承知の上だが、文字の形まで変化するのは神として甚だしい。そして素敵の後からがどうしても読めない。これでは叶えることができないと頭を抱えて三日、五日、一ヶ月に半年もの月日が流れたが結局、最後まで願い事の内容を理解するのはできなかった。
しかしそんなある日、あの化け文字を書いた張本人の女子高生が同じような年齢の男を連れて神社へやってきたのだ。二人の関係は親密なのか、しっかりと手を繋いでいる。そして女子高生は以前願いを書いた絵馬を見てはものすごく盛り上がっている。なんだなんだと耳を傾けてみれば、
「ねっ? 絵馬に素敵な彼氏くださいって書いたら本当にできちゃった! 次はどんなお願いごとしようかな?」
ズコーッ、コントのようにずっこけたい気分。
願いが叶ったと大喜びされても、もちろん自分は何もしていない。けれども、幸せそうな顔を見るのは神としてたいへん喜ばしい。おや、また新しい絵馬を書いている。仕方がない。脳のトレーニングだと思って、今度こそ最後まで読解してやろう。
「ネ申様∧☆彡 原頁レヽをカゝナょぇτ<れτぁ丶)カゞー⊂ぅ! 彳皮氏@ゅぅ君ー⊂同ι″大学レニレヽレナますょぅレニぜっナニレヽレニカゝナょぇτね☆」
やはり読めん――!
<終>
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