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2002.10
「圭吾、今日も走りに行くの?」
夏希が全裸にバスタオルを巻いただけの格好で冷蔵庫を物色しながら聞いた。みっともないからやめて欲しいのだが、言うと色々面倒臭いから黙っている。
「うん、そうだけど。」
「雨、気をつけなよ。」
一応心配はしてくれるらしい。
「あ、このココア味のプロテイン美味しそうじゃん。ちょっとちょうだい。」
「だーめ!姉ちゃんはプリンでも食っとけよ。」
「こんな時間にプリンなんか食べたら太るじゃん!」
時刻は午後9時を少し回ったところだ。ここのところ彼女は人一倍カロリーと体型を気にしている。「痩せる時は胸から痩せるのに、太る時は腹から太る」と愚痴をこぼしてはいるが、見たところ姉の胸は小学生の頃から成長していない。
「おい、誰が貧乳だコラ。」
夏希が圭吾の視線に気づく。
「何も言ってねーし。そのプロテイン高いんだからマジで飲むなよな。」
これ以上絡まれるといよいよ面倒くさい。圭吾はそそくさと玄関を出た。
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