2001.11

2/14
前へ
/83ページ
次へ
 2学期も後半の11月に入った頃、陸上部に厄介な奴が入ってきた。  彼の名は安原(やすはら)。  中学時代にバスケ部のスター選手だったらしい彼は、入部していきなり100メートルで11秒前半を叩き出し期待感が高まったが、とにかく態度が悪い。  練習には来たり来なかったり、来ても遅刻する。練習メニューにケチをつける。  それでも一番速いのは安原だから誰も文句は言わない。 「アイツ、運動神経はピカイチだけど、物凄ぇ嫌な奴なんだよな。」  安原と同じ中学出身のクラスメイトがそんな事を言っていたのを圭吾は思い出した。
/83ページ

最初のコメントを投稿しよう!

24人が本棚に入れています
本棚に追加