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家に帰るととどめを刺すように夕方のニュースが仁藤の個展の特集を放送していた。
会場の準備をするスタッフと仁藤が画面に映っている。
キャンバスが重くて、持ちあげるのに苦労している様子が画面に映し出されていた。
見ていられなくて電源ごと乱暴に引っこ抜いた。
そんなことをしても世間に一旦流されてしまった事実は何も変わらないというのに。
悔しくて涙がこぼれた。
不用心極まりない馬鹿な自分の言動を本当に申し訳ないと思った。
謝罪の言葉をいくつも探したが、この罪を少しでも償えるような文章は出てこなかった。
悪気はなかった、意図しなかった、うっかりしていた…そんなもの、言ったところで今更何になる。
結局、ごめんなさいと一文だけ手紙にしたためた。
取り返しの着かないことをしてしまったと。
最後に鍵を同封したら、恵は静かにそれをポストに投函した。
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