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主人公との出会い
天の音と書いて天音。
可愛らしい名前とツンデレな発言にギャップが生まれてくれれば良いなと考えて、僕がつけたんだ。
「うちの学校の生徒さん・・・ではないですよね。制服が」
ライトノベルで読んだことがある異世界転生というものが現実に起こっている!!
これは辻褄を合わさなければいけないんだろう。
「転校してきたばかりで、まだ新しい制服が出来上がってないんだ」
「そうなんですね。私ったら、名前まで覚えてくれてる方になんてことを!」
「いや、大丈夫だよ、僕、本当に地味だから」
「ふふ、面白い方なのですね」
ん?様子がおかしいぞ。
いつもなら、ゴミでも見るような目でそうでしょうともと言わんばかりのそんなことないよーが聞こえてくるはずなのに。
あー、はいはい。納得しました。
転生したってことは、ビジュアルが二次元なのね、はいはい。
顔の造形を確かめてみる。
いや、問題だろう。
僕のままじゃないか。
「大丈夫ですか?やはり頭をぶつけているんじゃ」
「大丈夫!頭から血が吹き出ても動いてるよ!ははは」
とりあえず、事実を確認しないと!
「待ってくださーい」
いきなり走り去る僕に向けて天音が大きな声を出す。
でも、決して追ってこない。こういうのは逃げられるのがセオリーだ。
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