26人が本棚に入れています
本棚に追加
/45ページ
「勿論、君一人でやれとは言わない。勇人と『二人で』その春の遠足までに、よろしく頼むよ」
「え……で、でも……」
狼狽えて言葉を濁す私の隣で、新宮くんがはっきりと答えた。
「はい、お父さん……いや、社長。俺、咲と二人ならきっとやれます」
「い、いや、ちょ……私は……」
またしてもあたふたしている私をよそに、社長様はにっこりと白い歯を見せて微笑んだ。
「そうか、そうか。二人とも。頼りにしてるぞ!」
どうやら、話はまとまってしまったみたいだ。
でも……
(ど……どうしてくれるのよ〜、この状況〜〜!)
そんな私の心の叫びが、頭の中で響き渡ったのだった。
最初のコメントを投稿しよう!