第二章 パトリツィア・ランドで……

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「だが一つ、条件がある」 「条件?」 すると、彼の父親は悪戯っぽい笑み……そう。 彼がいつも、私に対して浮かべるのと同じ笑みを浮かべた。 「その春の遠足までに……パトリツィア・ランドの新作アトラクションを一つ考えてもらいたい。それが、条件だ」 (えぇ〜! 何、それ?) 意味が分からなかった。 だって、私にテーマパークのアトラクションなんて……考えられるわけがない。 「い、いや……私にそんなこと。だって……私、そこらにいるような普通の高校生だし、そんなの考えられるわけが……」 「そういう子の感覚が必要なんだ」 彼の父親……パトリツィア・ホテルの社長様は不敵な笑みを浮かべた。 「うちのランド……パトリツィア・ランドは少々大きくなりすぎた。その所為なのか、最近では社員が新しいアトラクションを考えても、どこか一般の感覚とはずれていて泣かず飛ばずでね。来てくれるお客さんのウケが良くないんだ。だからこそ、是非、どこにでもいる普通の、君のような子に力を貸してもらいたい」 その言葉がどこか嫌味っぽくてムッとした。 いや、それより……そんなことより! 何で私がそんなことやらなきゃいけないの? というかそんなの、どうやったらいいの!? 頭がこんがらがっている私をよそに、彼の父親……社長様は話を進めた。
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