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甘い時間
君の背中を
俺の中指と人差し指が
散歩する
「くすぐったいよ」
寝そべって雑誌をめくる君は
少し邪魔そうに呟く
でもまだ怒られないから
散歩を続ける
肩からどんどん下って行って
腰から少し登ってく
「ねぇやめてよ」
口では嫌がるのに
雑誌を見たままの君
登りきった曲線を
スーッと滑って降りてみる
「ねぇってばぁ」
やっと雑誌から外れた視線
上半身をひねったきみの
脇腹にワープ
そこから 少しずつ登ってく
仰向けになった君の
膨らみの手前で
俺の指は立ち止まる
「登らないの?」
と ちゃかす 君
その丘の回りを焦らすように
さ迷う俺の指に
君の瞳は少し揺らいで
君の腕が俺の首に回される
ゆっくり唇をかさねあわせる
午後の陽射しと甘い時間
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