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やきもち
どこみてんの?
なんて顔してんだよ。
前はみんなといても、
俺だけだったじゃん。
そいつ誰だよ。
「同じサークルの人」
いつの間にかイツメンに入っていたあいつとは、
気があうんだってな。
多趣味なお前はいろんな友だちがいる。
でも、俺は特別。
お前の時間も気持ちも、
一番たくさん持っている。
おまえの体だって…俺だけだ。
楽しくみんなと話ながら、
心のなかであいつを見て1人ごちる。
それでもあいつとお前の会話の間に、
意味なくお前の腰を引寄せる。
「ん?」と不思議そうにするお前に、
「寒くない?俺ちょっと寒い」という。
そうすると、俺のほっぺを両手ではさんで、
「私はかいろか」と笑いながら、
すり寄って来てくれる。
あいつをちらっとみて、優越感に浸る。
「嫉妬かよ…小さいな」
誰にも聞こえないように、
自分に言い聞かせる。
でも、こっそり独占できたことに満足して、
みんなの輪にもどる。
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