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つき
君が窓から外を見ている。
「夜は冷えるよ」
そう言って君のそばに近づく。
「うん」
窓の外を見たまま、君がうなずく。
ブランケットを肩に掛けてあげる。
「ありがとう」
やっぱり外を見たままだ。
気になって僕も窓から外を見る。
月がみえる。三日月だ。
少し太った三日月。
「きれいだねぇ」
澄んだそらに鮮やかな三日月。
君の視線を釘付けにしている三日月。
「絞って飲んだら美味しそう」
君の言葉に一瞬時がとまる。
「ははっ」思わず笑がこみあげる。
君がきみらしくあって、よかった。
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