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不可解な行動に怪訝な目を向けると、加持はくつくつと笑いながらくしゃくしゃと頭を撫でる。
いよいよ訳が分からずきょとんとしていれば、不意に唇を奪われて、至近距離で視線が重なった。
「今日久しぶりにお前のおっぱい堪能出来たから」
「……」
「また当分お預け食らってもいいよって事なんですけど」
「……え?」
さっきから遠回しに伝えてくる加持に、頭の中がどんどんこんがらかっていく。
いまいち理解出来ずに苦しんでいれば、加持は「何で分かんねーの」と零しながら、やっぱり笑った。
「二人目、どう?」
そして加持がさらりと放った言葉は、私がずっと胸の奥にしまっていたものだった。
別に言えなかったわけじゃない。
拒否されるとも思ってなかった。
でも陽夕のときに、加持にはだいぶ我慢をさせたから。
さっきも言ってたけど、加持が子供に嫉妬してしまうくらいには我慢してたから。
だから別に、そんなに急がなくてもいいかなって思うと自分から伝える気にはなれなかった。
だけど陽夕が大きくなるにつれて、もうひとり欲しいと思う自分がいて。
まさかそれが、加持にバレてたなんて知らなかった。そして加持も二人目が欲しいって思ってたことも知らなかった。
だって、全然そんな雰囲気なかったもん。それとも私に気を使ってくれたのだろうか。
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