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すぐにからかってくる加持に今度は自分から唇を押し当てれば、加持は一瞬驚いた顔を見せて、すぐ破顔する。
目の前の男が今日はいつにも増して愛おしくて、つい私まで顔が綻んだ。
「紘輝」
「うん?」
「私と結婚してくれてありがとう」
「……」
「一緒にいればいるほど、結婚して良かったなって思えるよ」
普段は照れくさくてこんなこと絶対に言えないけど。
この場所と、久しぶりにふたりきりで出掛けているというこのシチュエーションが、私を大胆にさせる。
「どした?今日のお前可愛すぎ。結婚2周年記念大サービスってやつ?」
「そういうことにしておいて」
「じゃあ、俺からもサービス」
「────んっ!」
不意打ちで指を入れられて、一瞬頭が真っ白になり、身体が大袈裟に跳ねた。
油断していたせいか想像以上に声が大きく漏れて恥ずかしさで顔が熱くなる。
「待って、こんなサービス嫌だ」
「ちげーよこれはオマケ」
特にまだ何もしていないはずなのに、散々焦らされたせいかそこは十分に濡れていて、加持の指を簡単に飲み込む。
加持はわざと音を立てるようにゆっくりと動しながら「よく聞いとけよ」と声を掛けてきたけれど、正直まともに聞ける自信がなくて、ふるふると首を横に振った。
「ひいろ」
「それ、やめて……」
じわじわと湧き上がってくる快感に耐えられず声が漏れる。
落ち着いて聞きたいのに、加持はやめるどころか弱いところを探し当ててそこばかりを攻め立てた。
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