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「紘輝はいつまでおっぱい星人なの」
「死ぬまで」
即答した加持は、私の胸から手を退けようとしない。寧ろ少し力を加えて、絶対に離そうとしないからその執着心はなかなかだと思う。
「流石にそろそろ落ち着きなよ」
「無理だろ。目の前にこんなに可愛いおっぱいがあんのに」
「よくそんな台詞を笑わずに言えるね」
「てかお前も自分のおっぱいに感謝しろよ。このおっぱいが俺らを引き寄せてくれんだから。運命のおっぱいなんだから」
笑うどころか、淡々と恥ずかしい言葉を並べる加持は、さすがというか、なんというか…。
「紘輝」
一度皿洗いを中断して、手についた泡を流す。
そして「ん?」と加持が力を緩めたタイミングで、くるりと身体を反転させ、加持に向き合うようにして立った。
「いま、私のおっぱいが引き寄せてくれたって言ったじゃん」
「うん、言った」
「それは違うよ」
加持の背中に手を回し、その胸に顔を押し付ければ、加持のにおいが鼻腔をくすぐり、それだけで安心する自分がいる。何年経ってもおっぱいが好きな加持と一緒で、私は何年経ってもこの人の腕の中が好きだ。
「確かに私達のきっかけはこのおっぱいだったけど、このおっぱいがなくても私は紘輝と結ばれてたって信じたい。私は普通に、紘輝に惹かれてたと思うし」
「……」
「……誕生日おめでとう」
普段は照れくさくてこんな台詞なかなか言えない。結婚して、子供が生まれて。尚更こうして口にすることが減ったと思う。
だから、今日みたいな日な特別な日くらい、ちゃんと伝えようと思った。
「ひいろ」
「…うん?」
「今日、俺の誕生日」
「う、うん。だから誕生日おめでとうって…」
「今日はお前のこと、好きなだけ抱いていい?」
「…え、」
「お前が可愛いこと言うから、クソ興奮してきた。ちなみにそのおっぱいも潰れるほど揉みたい」
「真顔でそういうこと言わないで」
「てことで、おっぱいパーティーしよ」
「いや、まだ私洗い物が…って、わっ!ちょっ、おろして!」
「子供達起きるから静かにな」
加持、お誕生日おめでとう♡
fin.
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