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「ひいろー!おっはよ!」 朝の更衣室。 朝からハイテンションで私の背中を叩いたのは同期の井上ちゃんだった。 今朝パイアモから帰って、すぐに支度して……と、バタバタしたからか、まだ出社してすぐだと言うのに既に疲れてる。そこに井上ちゃんのテンションは、正直キツい。 「おはよー」 「おっさんみたいな挨拶だね?顔死んでるよ」 「……なんか失礼な同期しかいないよね」 「え?何か言った?」 「んーん、なんでも」 加持といい安藤といい井上ちゃんといい、私の同期は私のことを本当に女として見ていない。 思わず小声で本音をもらすと、小首を傾げた井上ちゃんの可愛らしいくりくりした瞳が私を映した。 井上ちゃんは『ザ、女子!』って感じ。 そりゃこんな同期が近くにいたら、私がおっさん扱いされるのも無理はないなと思った。 「ねーねーひいろ」 「はい」 「今週の土曜日は暇?」 「あー、どうだったかな。暇だと思うけど」 制服に着替え終わった私は、井上ちゃんと喋りながら更衣室を出た。 井上ちゃんは私の横にピッタリくっついたまま、上目遣いで私を見てくる。 男ってこういう仕草に弱いんだろうな。安藤が好きになるのも分かる気がする。
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