合鍵

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午前0時を回り、昼間より人も車も少ない夜の街を駆け抜ける。 亮さんの車に乗るのはいつぶりだろう。 前はよく送ってもらってたなって思い出に浸りながら窓の外をずっと眺めていた。 車を発進させてから私達は特に会話をしていないけれど、車内ではバラード調の洋楽が心地よく流れていて不思議と無言が苦ではなかった。 亮さんの運転は上手い。 音楽と適度な揺れのせいで段々と瞼が重くなる。 だけど、これは亮さんと最後のドライブ…。 目を擦りながら必死に眠気と戦った。
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