合鍵

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「だって自営業ってさ、失敗したらお前にも迷惑かかるだろ?カッコ悪いとこ見られたくないし、そんな事とか考えてたら付き合う勇気無かった」 「…亮さんでもそんな不安あるんですね」 「当たり前だろ。…でも、お前がいない生活の方が不安かも」 亮さんてこんな甘いキャラだったかな? さっきからきゅんきゅんして胸が苦しいよ。 「いなくならないですよ。むしろ亮さんから離れていってもどこまでも追いかけますから」 負けじとそう言うと、亮さんはふっと笑って「ほんとお前には勝てないわ」と小声で呟いたかと思うと、ぎゅっと私を抱き寄せた。 亮さんの体温も匂いもダイレクトに伝わって、私これからも亮さんと一緒にいれるんだって実感がじわじわと湧いてくる。 「ずっとこうしたかった…」 そして今日の彼はどこまでも甘い。 「私もです」 亮さんが寝ている間に勝手に抱き着いたりしていたけどね。 なんて思いながら、彼の背中に手を回してぎゅっと力を込めた。
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