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「俺と…結婚してくれる?」
耳元で再び囁いた彼の声は低くて甘い。
私の答えはもちろん決まっている。
「はい、喜んで」
私の返事を聞いた瞬間、亮さんの抱き締める力が少し強くなったのが分かった。
あぁ、夢のようだけど夢じゃないんだ。
なんて幸せなんだろう。
結婚なんてどんなものかも分からないし、これからの生活がどう変わるなんて想像もつかない。
だけど彼とずっと一緒にいれるんだってことは分かるから。
それだけで幸せだと思えるから──…。
「急だったから指輪も用意出来てない。ごめん」
「ふふっ…いらないですよ。亮さん今日は謝ってばっかり」
「……うるさい」
亮さんは抱きしめていた力を少しだけ緩めると、自分の胸にピッタリとくっついていた私の顔を数センチ離して覗き込む。
そのままゆっくりと近付いて──亮さんの唇が私の唇に重なった…。
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