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私は一体、何をしているんだろう。
また律を怒らせてしまった。
どうしてだか、律の嫌がることばかりをしてしまう。
律を前にすると、正常な判断が出来なくなる。
こんなにも人の気持ちを考えられない人間だったのかと、自分が怖くなる。
律と仲直りするどころか、どんどん悪い方に向かってる。
私は律に、井上さんに告白されたことを言って、どう返して欲しかったんだろう。
引き止めてほしかった?
……いや、違う。引き止められたからと言って律と付き合うわけでもないのに。
じゃあ背中を押してほしかった?
そしたら心置き無く付き合えるから?
ううん、実際背中を押されたのに、全然スッキリしない。
だったらなんであんな話題を出してしまったんだろうと、後悔が募る。自分の性格の悪さに呆れてしまう。
私、どんどん嫌な女になっていく。
もう自分ではこの状況をどうすればいいのか分からなくなっていた。
だから、助けを求めるしかなかった。
「え、婚活パーティーの人に告白されたの?!」
「……はい」
誰かに相談しなければ、自分で自分の首を絞める一方だと気付いたので、今日は慶子さんをランチに誘って会社の近くのカフェに来た。
席についてすぐ昨日の告白の話を伝えると、慶子さんは予想通り食いついてきた。
「わー!すごーい!やったじゃーん!」
「……」
「昨日は遅い時間に義弟くんとケンカしたーとか言ってたから落ち込んで出社するのかと思いきや、なんだその幸せな報告ー!ひゅー!」
「……」
「……」
「……」
「……え、なにこの重い空気」
物凄いハイテンションで喜んでくれる慶子さんには申し訳ないけれど、今の私はそんな気分にはなれなかった。
それを察したのか、慶子さんは急に真顔になる。
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