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01
「え、また別れたの?」
「はい……」
「しかも今回は不倫?」
「はい……」
「そろそろお祓いしてもらった方がいいんじゃない?」
「私もそう思います……」
ほんと男運ないねーと零しながらカフェラテを飲む先輩に苦笑する。
そう言われても仕方がない。だって本当に男運がないから。
「鈴、今年に入ってこれで何人目?」
「今年はまだ二人目です」
「まだって、まだ3月だよ?3ヶ月で二人と別れるのは寧ろ才能だよ」
「…やっぱ一人目はカウントしなくてもいいですかね」
「何だったっけ、元旦に付き合って、次の日にニートって知って即別れたんだっけ?」
「消防士って嘘つかれてました」
「酷い話よね。でもカウントしとこ。なんか数えるの楽しくなってきたし」
結構傷ついているのに、私の失恋話を楽しんでいる先輩はなかなかドSだ。慰める気は更々ないらしい。
彼女は同じ会社の先輩で、入社当初から可愛がってくれてる歳はふたつ上の慶子先輩。
昼休み、彼女に一番に報告したら大爆笑された。
「鈴、今何歳だっけ?」
「27です」
「そろそろヤバいじゃん。合コン開こうか?」
「あ、いえ、もう婚活パーティーの予約入れたので」
「仕事はや」
彼女の言う通り、そろそろ本気で結婚相手を探さないとヤバいと思った私は、今朝婚活パーティーをネット予約しておいた。
今まで付き合った男の数は10人を軽く超えているのに、まともな人と付き合った記憶がない。
正直、かなり焦っていた。
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