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「じゃあさ、その婚活パーティーで良い人見つからなかったら私の知り合い紹介してあげるよ」
「慶子さんの知り合い?」
「そうそう、歳は私の三つ下だから、鈴のひとつ下になるけど」
「あー…やめときます。私年上の人がいいので」
「贅沢な奴ね」
贅沢と言われても、私は昔から年上が好きだ。
高校の時付き合った人も部活の先輩だったし、大学も、社会人になってからも年上としか付き合ったことがない。
だって、年上の方が甘えられる気がするから。
私の家庭は少々複雑で、私が小学生の頃両親は離婚した。原因は父親のDV。
結婚してすぐ父親は暴力を振るうようになったらしい。けれど、母親はそんな父親に何故か依存していて、どんなに殴られてもなかなか別れなかった。
私は母親が殴られているところを何度も目撃したことがあるし、たまにその矛先が私に向けられることもあった。怖くて、毎日部屋の隅で泣いていたのを覚えている。
それでも母は父のことが大好きで、私よりも父親を優先した。だから私はひとりぼっちになることが多かった。
やっと別れられたのは、母親のお兄さんである伯父さんがそのことに気付いたから。叔父さんが何とかして二人を別れさせてくれたらしい。
そんなことがあったから、私は男の人が怖くなると思ってた。
でも実際は反対で、あまり愛情を受けて育っていないからか、常に寂しいという気持ちが支配していて、気付けば包容力のある男の人ばかり求めてしまうようになっていた。
だから私が年上としか付き合えないのは、過去のせいということにしている。
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