恋の仕方、忘れました

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そう、昨日あの後事件が起きた。 なんと私は、28年間守り抜いてきた処女を呆気なく捨ててしまったのだ。 しかも相手が実の姉の彼氏。 死刑だ。死刑になっても文句言えない。 でもどうしてそうなったんだっけ。 確か最初は、佑真さんが買ってきてくれたお寿司をつまんで、ひたすら愚痴を零しながはお酒をグイグイ飲んでいた。 でもそれだけの予定だった。ちょっと話を聞いてもらったらすぐに帰る予定だったのに、それから何故だかそういう流れになって·····。 あ、そうだ。いつものことなんだけど、佑真さんが親身になって話を聞いてくれるから、それが嬉しくてなんだかほっとして。 テンションが上がったのかいつも以上に飲んじゃって、それから··········気付いたら、もう布団の上だった。 いやおかしいだろ自分。なぜ布団に移動した。 「うーん」と何度も頭を捻るのに、そこの部分だけどうしても思い出せない。 …そこは思い出せないのに、最中のことは───鮮明に、覚えていた。
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