恋の仕方、忘れました

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……けれど、もし祐真さんがお姉ちゃんのことを大事にしているのなら、私を抱くなんて有り得ないのは確かだ。 この数日、自分のした事にショックを受けすぎてそこまで頭が回らなかった。これだから恋愛偏差値の低い人間は……。 「ちょっと話聞いて、優しく抱いてくれる男なら誰でもよかったんだろ」 「そんなっ、」 「お前初めてだったんだろ?尚更気持ちが盛り上がってんだって」 「……」 「皆初めての相手は特別だと思い込む。勘違いして勝手に執着してたら、ただのメンヘラになるぞ」 「……酷い」 やっぱり説教モードなのか、どんどん主任の口が悪くなってる気がする。 言い返したいけど、主任が仰っている内容はどれも正論ばかりで私の胸に容赦なくグサグサと突き刺さった。 主任は頬杖をつきながら、落ち込む私と視線を絡める。 その視線から逃げるように空になったお猪口を眺めていると、目の前の男は「だったら…」と小さく口を開き──── 「俺が試してやろうか?」 ───信じ難いことを口にした。
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