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「……本当にアパートはすぐ近くなんだな?」
「はい」
「部屋についたら連絡してこいよ?」
「勿論です」
「何かあったらすぐ電話してこい」
「……はい」
珍しく頑固な私を見て、遂に主任は諦めた様子。
もしかすると、家で待ってる彼女との約束を思い出して、早く帰りたくなったのかもしれないけれど。
でもそれでもいい。
彼女を選んでくれた方が私も諦めがつくし。
シートベルトを外して「今日はご馳走さまでした」と頭を下げたあと、最後に主任の顔を見納めておこうと視線を上げる。
と、少しむくれた表情の主任と目が合った。
「暗いんだからマジで気を付けろよ。出来ればダッシュで帰れ」
「走ったら吐きそうです」
「それはキツい」
お父さんみたいな主任がおかしくてつい声を出して笑うと、主任は呆れた顔を見せた。
だめだ。話してたらやっぱり離れるのが寂しくなる。
「主任」
「ん?」
ハンドルに頬杖をつきながら私を見据える彼に、急だけど、この際ハッキリ聞いておこうと思った。
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