それぞれの燃え方

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小さい寝息が聞こえ始めると、動向からは想像できないような慎重さでカーテンを開け、そっとベッドに腰かける。 彼女の髪を撫でるのは男としてか、父としてか。 薄暗い程度のベッド付近。 こちらから表情は見えなかった。 「茅香…」 亡くなった茅香子さんにそっくりだという娘。重ねてみていると本人も自覚しているようだが、そんな弱さも父と娘のコミュニケーションの一端になっているようで本当、不思議な家族だ。 戻ってくる直前、シャッター音がしたのは聞こえなかったことにしよう。
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