それぞれの燃え方

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ホスト風な見た目に反し、内の芯はずしりと重たくちょっとやそっとでは動かない。 こうありたい、と思える存在までくれる彼女には本当に感謝しかない。だから人生1度のプロポーズ、憧れがあるのなら叶えてやりたい。 「ゆびわ、どぉして交換してるんですかぁ?」 「それを聞きたくてこれかよ…」 「プロポーズの時そうなったんでしたよね」 「おお…まぁな」 「なら場所も、言葉も、方法も、ぜんっぶ知りたいです、教えてくれるまで…はなれません!」 やっぱり歯切れが悪くなり視線が泳ぐ普段より隙の出来た彼に…抱きついた。腕ごと抱き締めているから抵抗は難しいと信じている。捨て身だ。 思いついた言葉と行動に歯止めが効かなくなる酔い方をこんな風に活かせる事になるとは。 「おい色男…っ、てっめぇ…!」 「まずは場所から。おねがいしまぁす」 「こんなに近づいていいのは茅香だけだ、殺すぞ気持ち悪ぃ…聞いてんのか?あ゛? こら゛あ゛っ!」 寝ている娘を気遣ってか声は小さいものの、怒気は尋常じゃなかった。けれど酔っぱらいにはそんな事関係ない。 『言わないとちゅーしますよ』なんていう脅しも使えてしまった。悠一郎さんも嫌だろうけど、俺だって嫌だ。皮膚がざわついているのを感じながら、とっとと吐いてもらおうと懸命だった。 …あまり良い光景ではなかったので、思い出すのはこれくらいにしておきたい。 「筋肉すごぉいですよねーどぉやって鍛えてます?このへんのとかぁ…」 「骨取り出すぞてめぇこら゛ぁ゛!」 そうして初めての義父『予定』な人との地獄の勝負は1時間後、自分の眠気によって終わりを迎えた。
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