184人が本棚に入れています
本棚に追加
/369ページ
「似合ってる」
「そ…そう?年に1回ならまぁ…いい、かな」
一緒に眠るいつものベッド。
側にいると安心する、囲ってくれる腕。
どうして今はこんなに体内が喧しいのか。
見つめていた目が閉じられ、軽いキスが食らいつくすような深さへ変わるには時間はかからなかった。
唇のすぐ裏を細かく舐める誘いに乗って、絡みつける。
「……ふっ……ん、」
「っ…興奮してる…?」
「だってこんな、あっ」
喧しい理由の有力候補、透けるレース。
妖しい弱さで撫でられ自覚する固さ。布越しにくるくると存在を確かめる、リハビリとは違う触れ方に、感じ方。
もう一方はクリームを舐めとるように味わい、一言。
「甘い…」
甘いわけない。
下着の味しかしていないはずのに、噛み締めるように囁かれた感想を信じて自分も舐めてみたくなった。
布はないけれど、引き締まった体の同じ部分をぺろり。
起こした体は、すぐさまほぼ丸出しのお尻をするりと撫でられる動きに促され再び背中から着地した。
割れ目にかかる布地を引かれれば1週間前にはなかなか濡れなかったそこから、興奮の音。
「…っ!あ、…は、恥ずか、し」
「準備万端」
「…紅大も、あっ?!…ふぁっ、んっ…」
「怖い?」
「あっ…怖くは…ないけどぉ、っ……!」
ぼんやりした日々から戻ってまだ1週間。後遺症もまだ残っているというのに、彼の前ではすっかり何事もなかったように反応する体になぜか罪悪感。
いいんだろうか。こんなすぐ、気持ちよくて。
「素直になれ」
耳を食みながらの囁きに後押しされる。同時に中の弱い部分を緩く擦り撫でられると、とまどいがぼろりと崩れた。
「っ…1回だ、け、」
「足りる?ここ、すごいけど」
くすぐるように全体を撫でられる体はとっくに期待して、太股は痙攣していた。凄まじい愛情表現によってもたらされる快感と興奮と幸せを完全に、思い出しているから。
最初のコメントを投稿しよう!