ふたりの愛し合い方

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体力、落ちてたんだなぁ。 長くなかったはずなのに放心近くまでぼんやりした瞼に、ご褒美のようなキスが降る。 前も余っていたわけじゃないけど、今回は奪われた量がすごかった。 体重、軽くなっているかも。 浮いてしまっていないかな。 「次」 「え、も、もう?」 サテンが滑る音と共に、胸の真ん中でなんとか形を保っていたリボンがほどけた。 唯一の前を隠す支えがなくなり、肩紐も二の腕に滑る。もう着衣とは言えない状態の、直視したくない薄い布を脱ごうとしたけど、止められた。 「もう、いいよね?これ…」 「タイミングは俺が決める」 やけに頑な。 こんなに執着を見せる程好きだったんだろうか。パジャマというか…下着。 「あ、そっか!陽紫に下着姿見られたこと根に持ってるんだ!」 考えついたまま伝えると無言でひっくり返され、短い悲鳴と強調されているお尻の曲線がさらけ出た。 「最初の時に言っておいたよな」 声が低まり熱い筋肉が背中を覆う。 導かれる快感を逃がす場所を探すも、薄くなった痣に散らされる跡と共に吸われつくし、もう何も考えられない。 「こういう時に他の男の名前を呼ぶなって」 「…あっ!」 「勉強不足」 「ごめ…あ、ぅ?!んんんっ!」 貫かれる体と、心臓。 無防備な寝顔が沈んでいた枕に、快楽まみれで半開いた口が埋まって濡れる。喉に負担しかかけない喘ぎに、悦んでいるのが簡単にバレてしまった。 湿ったプレゼントから解放された頃には、会話もままならず。取り払われる間、体は動かせず任せっぱなし。 道しるべだったライトが消える。 真っ暗になった部屋。 それでも彼の存在だけははっきり分かる。 「ショック療法だ」 「やっ、ぱり…根に持っ、てるぅぅ…!」 「当然。俺の本音」 「わ、私だって…!いっぱいしたい…!」 「知ってる」 恥ずかしながら、その方法のおかげでこれ以降、彼と過ごす暗闇に恐怖を感じる事は一切なくなった。 もう離れる事はないんだから一生の安心を得られた、という事で。 互いの心臓を指に絡め合い確かめる存在は、長い時間ぴたりとくっついて離れなかった。
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