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腰の角度は解放に向けたものではなく、おいしく食べる為の準備のような。
「あれ…?どうして…」
「1回だけ」
「ぅ、そ?!…ああっ?!」
「傾向と、対策…っ」
「…あっ!……んんっ…!」
「本気じゃない『嫌』『無理』の言い方ならもう知れてるから」
回数についての『無理』は本気です!
重々言いきかせておきたいのに、口も下も、中を味わってくる彼がいて喚けない。
突き上げられる動きに合わせつま先立ちになるたび、ひたひた、素足が床に貼りついては離れる音が卑猥で強く目を閉じた。
耳も塞ぎたいのに、折れ曲がってしまったら戻ってこれなさそうな体を支える手はキッチン台から離せない。
「初めてここでできた」
「喜ぶところじゃ、な…ぃっ!」
「悦んでおいてなにを」
貰って嬉しいはずの彼の初めて。調理のたびに思い出しそうで、今回は素直に喜べなかった。
慣れない体勢と羞恥と快感に崩れた体は、足取り軽い王様によって抱えられ、浴室へ。
お風呂もショートパンツの件からも上手く逃げだせたつもりが、彼の手の平でいいように転がっていただけだった。
「甲斐甲斐しくお手伝いしますよ、女王様」
「お風呂に一緒に入りたかったってことね…」
「甘やかしてくれるって言ったのに逃げるから」
「それならそう言ってよ!」
「こっちの方が甘くておいしい思いできるし」
「私が思ってた甘やかしと違う」
「それはこれから貰う。ベッドに入るまで」
目の前に迫った喉仏。
つん、と軽くつついてみると『そんなに好きだったっけ?』と笑われた。
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