これからは赤いリボン

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これからは赤いリボン

何度目か分からない程ひたすら絶頂に引き上げられぼんやりしてきた思考を繋ぎ止めて欲しくて彼に伸ばした手の、傷跡が目に入った。 私が何年もすがっていた、紐の跡。 切られてしまったけど、彼との仲を繋いでくれたようなあの赤い紐。 いろいろあったけど結果的に…怜さんには感謝しないといけないのかな。 「…ん?お前、また…」 拗ねた顔が手の向こうに見えた。 「ちょっと待ってろ」 不機嫌そうに呟くと、ベッドの近くにあった赤いリボンを手に戻ってきた。 「その跡を見る度に…あいつを思い出すとか我慢できない」 指を絡めながら跡の残る手を握られる。 そのままふたりの手首をリボンでぐるぐるとまとめ、仕上げに固結びされた。 キツくないけど手首を動かせる余裕もないぐらいの拘束で、細い跡は覆われる。 「こ、これ、なに?!」 「別に縛る趣味なんか無いけど、手首見たときは…俺に愛されてる所を思い出すように」 リボンにキスをして 絡んだ指はねだるように擦られる。 クールに見えて、子どもみたいに拗ねたり嫉妬したりする彼との始まりは図書館。 赤い紐が繋いでくれた私と彼の今までを、思い出していた。
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