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そして、蜜子の誕生日当日。
「シン、邪魔だ」
「クソ兄貴の肩幅が有り余ってるんだ。せまい」
「なんだとひょろひょろが」
「もうお兄たち喧嘩しない。ただでさえ暑いんだから」
三人は仲良く身を寄せ合って、キッチンのコンロ前に集結していた。それぞれ自分の鍋に向かっている。コンロは三つフル稼働で、その真ん前に陣取っているのだからそれは暑いだろう。
ああ、今月もガス代が、とまたしても部屋の外から蜜子は頭を抱えるのだけど、当然三人が気づくこともない。
見ている間にシゲキとシンは肩をぶつけ合って押し合いを始めるし、ララはというと冷蔵庫を開けて手当たり次第隠し味や具になりそうなものをテーブルに広げている。
「隠し味にショウガと青じそとワサビのチューブ! これで行こう!」
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