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夫のジョロキュアはこんなときだというのに少し帰宅が遅くなるということで、今は蜜子と子供たちしかいなかった。
くよくよしても仕方がない。蜜子は覚悟を決めて目の前のカレーに向き合った。
いざ! というような気合いを入れて、まずララのカレーをご飯にかけていく。そして一口。
……火を噴きそう。
と思ったものの、娘の作ったものを無下にはできない。母は強しなのだ。
心頭滅却、心頭滅却、と、あまりの辛さに焼き切れそうな思考回路を無理やり繋げつつ食べ切った。
「ご、ごち……ごちそう、さ……」
ごほ、ごほと鼻に抜けるスパイスにむせて、最後は言葉にならなかった。
満身創痍ながらも食べ切ったその様子を見て、ララが感激したように抱き着いてきた。
「お母さん大好きぃ!」
実は今回味付けを失敗しちゃって、全部は食べてもらえないんじゃないかと思ってた、とララは語った。
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